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百田尚樹『フォルトゥナの瞳』読了 [読書]






内容(「BOOK」データベースより)


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幼い頃に家族を火事で失い天涯孤独の身となった木山慎一郎は友人も恋人もなく、自動車塗装工として黙々と働くだけの日々を送っていた。だが突然「他人の死の運命」を視る力を手に入れ、生活は一変する。はじめて女性と愛し合うことを知った慎一郎の「死の迫る人を救いたい」という思いは、無情にも彼を窮地へと追いやり…。生死を賭けた衝撃のラストに心震える、愛と運命の物語。


感想


久々に、心に重いものが残る作品。

「他人の死の運命」を視る能力を通して、

生きること、幸せを選択することの重さが

ヒシヒシと感じる。

生きることは、選択することだが、

ただ選択するだけでは・・・ダメ。

選択しないのは・・・ダメ。

選択したら、選択した代償が存在する。

罪と罰という意味ではなく、

選択には、責任と覚悟が不可欠。

責任と覚悟なき、選択は選択にあらず、

そのためにも、他人を視る前に、自分自身を視る、

そして、受け入れることが重要なのかな?と思う。

しかし、結末は衝撃的でした。

読みやすく、感情移入がしやすかった。







東野圭吾『ラプラスの魔女』読了 [読書]






内容紹介



"円華という若い女性のボディーガードを依頼された元警官の武尾は、行動を共にするにつれ彼女には不思議な《力》が備わっているのではと、疑いはじめる。
同じ頃、遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きていた。検証に赴いた地球化学の研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する――。
価値観をくつがえされる衝撃。物語に翻弄される興奮。
作家デビュー30年、80作目の到達点。

これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。
そしたらこんな作品ができました。 ――東野圭吾"

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感想


まさに期待通りの作品。

しっかりとした論理と人間心理が入り混じった

これぞ東野作品。

科学的な部分に可能性を

人間心理に理系的計算要素を加え、

この世に完璧はないこと、

物質、人の存在に意味があることを示唆した価値観は

読んでいて興奮もの。

この作品、これまでの東野作品と違い、

可能性を空想という形で線引きして、

ミステリに深みを持たせているなあ~と思う。

『ラプラスの悪魔』という科学理論を

小説でここまで表現するとは・・・

人、物質に存在意義があり、偶然はありえないって、

改めて自分の存在価値を考えたりして・・







堂場舜一『歪 捜査一課・澤村慶司』読了 [読書]






内容(「BOOK」データベースより)



ネットに実名が晒された犯罪者を殺していく殺人鬼“森くま”。結衣が転入した高校では、生徒が自殺した責任を問われて、教師の江沢がTVやネットで騒がれていた。結衣は江沢のために級友のつばきとある行動に出る―。いっぽう、恋人を何者かに強姦された高校教師の優平は、恋人の弟らと仇を討つべく動き出した―。ラストで新たな世界が現れる、二度読み必至のサイコパス・サスペンス。

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感想


物語が追われる側、追う側の視点で展開していく。

スリルがあり、面白いけど・・・

結末がちょっと・・・フラストレーションが溜まる、スッキリしない。

空っぽの心をどう理解していいのか?

ただ、考えてというレベルでも

こうだと語るレベルでもない。

不毛のテーマである。小説として、ここに踏み込むということは

今の社会は、心理学、社会学等の統計学では

予測不可能な人間が多いのかな。

それとも、これが新時代の人間なのか?

だとしたら、空っぽなのか?

疑問が残って、モヤモヤする。







堀内公太郎『公開処刑人 森のくまさん ―お嬢さん、お逃げなさい』読了 [読書]

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内容(「BOOK」データベースより)



ネットに実名が晒された犯罪者を殺していく殺人鬼“森くま”。結衣が転入した高校では、生徒が自殺した責任を問われて、教師の江沢がTVやネットで騒がれていた。結衣は江沢のために級友のつばきとある行動に出る―。いっぽう、恋人を何者かに強姦された高校教師の優平は、恋人の弟らと仇を討つべく動き出した―。ラストで新たな世界が現れる、二度読み必至のサイコパス・サスペンス。






感想


前作と印象が違うように思う。

今回は二代目であるが、

正当?でいいのかな。それなりの理由もあり、

それなりの意味深さが伝わってくる。

前作は、ただ残酷さが目立っていたようですが、

正義の意味づけ、

ネットに踊らされ、ネットで躍らせたり、

現代メディアの危うさを皮肉っている点は面白い。

ただ、小説という架空、創造世界だから、

極端な発想で笑いですむっけど・・・

実際、今の社会って、加害者が守らて、被害者が・・って

よくある話。

この作品、もう一度、

読んで伏線とか、展開を整理したいと感じた。






タグ:くまさん

佐々木譲『警官の条件』読了 [読書]





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内容(「BOOK」データベースより)



警部に昇任し、組織犯罪対策部第一課の係長に抜擢された、安城和也。彼は自らのチームを指揮し、覚醒剤の新たな流通ルートを解明しようと奮闘していたが、過程で重大な失策を犯してしまう。重苦しいムードに包まれる警視庁に、あの男が帰ってきた。かつて、“悪徳警官”として石もて追われたはずの、加賀谷仁が!警察小説の頂点に燦然と輝く『警官の血』―白熱と慟哭の、第二章。

感想


『警官の血』の続編。三代目の和也の物語。

読んでいて、続編という感じが薄かった。

警察内の組織間の争い、ヤクザの構想が

序盤から中盤にかけての展開。

物語が進むにつれて、前作の意味合いが濃くなってくる。

結末は前作を読んでいるからこそ、深みを感じることができる。

警官の血、本作ともにいえるのは、

物事の真意を表面だけで判断できない。

裏も見て、判断せよってことなのかなあ・・・・






タグ:警官の条件
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