内容紹介
"円華という若い女性のボディーガードを依頼された元警官の武尾は、行動を共にするにつれ彼女には不思議な《力》が備わっているのではと、疑いはじめる。
同じ頃、遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きていた。検証に赴いた地球化学の研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する――。
価値観をくつがえされる衝撃。物語に翻弄される興奮。
作家デビュー30年、80作目の到達点。
これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。
そしたらこんな作品ができました。 ――東野圭吾"
感想
まさに期待通りの作品。
しっかりとした論理と人間心理が入り混じった
これぞ東野作品。
科学的な部分に可能性を
人間心理に理系的計算要素を加え、
この世に完璧はないこと、
物質、人の存在に意味があることを示唆した価値観は
読んでいて興奮もの。
この作品、これまでの東野作品と違い、
可能性を空想という形で線引きして、
ミステリに深みを持たせているなあ~と思う。
『ラプラスの悪魔』という科学理論を
小説でここまで表現するとは・・・
人、物質に存在意義があり、偶然はありえないって、
改めて自分の存在価値を考えたりして・・